この度、会長職2期目を仰せつかりました。
1期目を振り返りますと、副会長や理事の皆様、そして事務局の方々の献身的なご貢献により、いくつかの新しい挑戦をすることができました。例えば、2冊目の学会誌となる『サステナビリティ経営研究』の発行、研究発表大会での英語によるセッションの設置、さらに、水谷賞(学会賞)表彰制度もスタートすることができました。加えて国際交流面では、「経営倫理とCSRに関する日台国際コンファレンス」をオンラインという新しい形で開催いたしました。姉妹団体である経営倫理実践研究センター(BERC)、日本経営倫理士協会(ACBEE)とは三位一体としてイベントの広報面などでの協力をし合う共に、経営倫理シンポジウム(2021年3月)では、BERC理事長(当時)の上野幹夫氏(中外製薬株式会社代表取締役副会長)に基調講演をご担当頂きました。その他、研究交流例会では、従来の講演の他に各研究部会の活動をご報告頂く機会もできました。
このような活動に加え、今期は、2023年に創設30周年を迎えるJABESとして、30周年記念事業に向けた活動を行ってまいります。また、学会活動の更なる発信のため、広報を積極的に進めること、更なる国際交流の促進や学会誌の改革の検討を行うこと、そして、コロナ禍で実施が難しくなっている、日本企業における経営倫理に基づいたマネジメント視察の実施方法を検討することを計画しております。その他、昨年度、開催された「研究法ワークショップ」が、今年度も多くの会員の皆様に参加登録いただき開催されます。また、若手研究者育成研究部会による若手研究者の研究報告会の益々の発展を期待しています。
他方で、現在、学会が直面している課題として、活動資金の有効な活用方法の改革が必要となっています。この問題に対応するため、新たに財務委員会を創設しました。現段階では、学会内の様々な作業やサービスにおいて「デジタル化」を進めること、そして事務局経費を抑制するため、できるだけ各委員会内で作業を完結させることが当面の方向性となると考えております。
なかなか終息しないコロナ禍において、これまで見えなかった日本社会の弱点が浮き彫りになり、また企業も新たな倫理的課題に直面しています。これらの課題に、我々、経営倫理分野の研究者がどのように貢献できるのかを学会員の皆様と共に考えていきたいと存じます。
今期も会員の皆様のご支援とご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。