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日本経営倫理学会

会長あいさつ

sendo_president2021.jpgのサムネイル画像 この度、2023-24年度の学会長に選出されました、潜道文子です。3期目の学会長職に従事させて頂くこととなりました。2019年に学会長を引き受けさせて頂いたときは、「他の方の準備が整うまで、1期だけ繋ごう」と思っておりました。それがこんなに長期間、本学会の運営に携わらせていただくことになり少々とまどいを感じておりますが、ここまでやってこれましたのは、副会長の方々や事務局長、そして役員の方々の力強いサポートのおかげです。この場をお借りして、皆様へ深く御礼申し上げます。
 さて、6月の総会でも少しお話させて頂きましたが、日本経営倫理学会(JABES)は30周年を迎え、今年度は31年目に入り、会員数も500名を超える中規模の学会となりました。近年の社会変化の大きなうねりの中、今後、社会やビジネスがどのような変化を遂げ、どのような課題を突き付けられるのかを予想することは困難と言わざるをえません。したがって、学会にとっての今後の30年を考えることは容易なことではありませんが、ここ数年、産業界においても経営倫理の重要性が益々認識されるようになり、経営戦略として経営倫理を積極的に捉えるケースも増加していることから考えて、今後、本学会への期待も益々高まっていくことが予想されます。
 したがって、その期待に応え、学会として更なる発展を目指ために、本学会の2023-24年度の重点的運営方針を、次の3点としたいと存じます。
 
1.学術研究活動の強化
 企業をはじめ様々な組織における経営倫理の重要性が叫ばれる一方で、経営倫理に関する学術的な研究は、まだその緒についたに過ぎないともいえる状況であり、組織におけるマネジメントの実践に基づく経験や事例に基づく知見を基礎としながら、さらに定性的・定量的な学術研究の必要性がより一層高まっています。したがって、学術団体であるJABESにおいては、まずは学術研究活動の強化に力を入れるべきであると考えます。
 具体的には、JABESの特徴でもある研究部会活動、研究交流例会、そして研究法ワークショップのような研究の進め方などを学ぶ機会の充実を図りつつ、研究発表大会での報告者数や、『日本経営倫理学会誌』および『サステナビリティ経営研究』という2つの学会誌への投稿者数の増加を図る努力をして参ります。そのことによって、より多くの研究成果を社会に発信し、社会の発展に寄与することが可能となると考えます。
 さらに、その研究成果を国際的に発信していくことも重要です。したがって、従来の海外大学との国際カンファレンスを継続しつつ、会員による海外学会での研究発表の推進も積極的に行って参ります。

2.学会員の皆様の学会活動へのご参加とコミットメントの促進
 上記のような研究活動強化のためにも、学会員の皆様に、これまで以上にJABESの活動にご参加頂きたいと考えております。
JABESは、上述の学会誌の発行や研究発表大会・シンポジウム、国際カンファレンス(2023年度は、2024年3月上旬に、タイのタマサート大学で開催予定です)、研究交流例会(年3回程度)、そして研究法ワークショップの開催、12の研究部会活動などを行っております。その他、2つの学会誌の掲載論文及び書籍を対象にした水谷雅一賞(学会賞)が設置されています。さらに、2023-2024年度は企業視察をJABESとして計画しており、経営倫理に関する現状理解を促進したいと考えておりますので、こちらの企画にも是非、ご参加頂ければと存じます。
学会員の皆様に、これまで以上に前述のようなJABESの活動にご参加頂けるよう、活動内容の充実と共に広報などにも更に注力して参りたいと存じます。
なお、近年、JABESからの様々なお知らせや情報発信が、ウェブで行われるようになっております。是非、学会HPを定期的にご確認いただければ幸いです。また、ウェブでは、JABESのニュースを伝える『学会報』や各理事が持ち回りで執筆している「経営倫理の窓から」など学会の広報活動も行っておりますので、こちらもご一読いただければと存じます。

3.後進の育成
 今後の学会、および経営倫理分野における研究の発展を考えると、学会の次世代を担う後進の育成を行いながら本分野の研究者数を増加させていくことが必要です。したがって、若手研究者の方々に、積極的に学会活動に関わっていただけるような仕組み作りも大切であると考えます。
理事会や委員会などにも、新しいメンバーの方々にご参画いただき、斬新な発想なども取り入れながら学会の活性化につなげたいと考えております。

 以上、今年度および来年度の重点方針を述べさせていただきました。これらの他、学会員の皆様との交流を通じて様々なアイデアを頂戴し、学会運営に取り入れさせて頂きながら進んで参りたいと存じます。日本経営倫理学会という貴重な知の創造の場の益々の発展のために、引き続きご協力の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2023年8月10日
日本経営倫理学会 会長 潜道 文子
(拓殖大学副学長・商学部教授)