2025年3月29日(土)に、当学会が後援する掲題の公開講座が青山学院大学の本多記念国際会議場で開催されました。当日はハーバード・ビジネス・スクールのジェフリー・ジョンズ教授が「Deeply Responsible Business ~ビジネス・エシックスとリーダーシップ~」のテーマで基調講演をされました。その後、ジョーンズ教授のほかに青山学院大学から3名の教員の方が登壇してパネルディスカッションが行われました。当日の参加者は約250名で、当学会とBERCからの参加者は約50名でした。
青山学院の記念行事に当学会が参加できたのは、経営倫理に関するテーマであったことと、当学会がジョーンズ先生の招聘に協力したことによります。
ジョーンズ先生の専門は国際経営と経営史ながら、講演の最初に、彼自身が経営倫理の重要性を主張する立場であることを明らかにしました。さらに、西洋と東洋を問わず19世紀以降に企業経営の枠組みを超えて、重要な社会的責任を果たした英国のGeorge Cadbury(チョコレート製造)、わが国の渋沢栄一、米国のEdward Filene(小売業)の各氏らを紹介しています。また、このような経営者には共通して何らかの宗教的な背景があるとしたうえで、彼らの経営が継続されていないことも指摘しています。Deeply Responsible Business の継続には、政策が必要と主張しています。
講演内容を詳しく知りたい方には、ジョーンズ先生の著作をお勧めします。訳書は5冊ありますので、ご一読ください。
2025年4月30日
日本経営倫理学会副会長
小方信幸