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日本経営倫理学会

国際委員会

2010年度活動報告

2006年4月国際委員会が組織され、2011年4月をもってまる5年の時間が経過したことになる。この間、海外における団体も学者中心の純粋な学会から、実務家中心、コンサルテーション企業、さらにはCSR活動の実践団体、NGO、NPO等様々な形態の国際交流が発展してきている。また近年は国連を中心とした国際機関が経営倫理やCSRをテーマとした指針や原則を発効し活動を活発化させてきている。日本経営倫理学会にも様々な団体からの提携、協同研究等の申し入れもあるが、日本経営倫理学会の現状を勘案すると、これまで同様に関係の深かった重点団体との交流を深めていく事が肝要であると国際委員会では考えている。

2010年度おもな国際交流活動を要約すると以下の様であった。

6月5日開催の総会においては、一橋大学ビジネススクール校長のクリスチナ・アフメージャン先生に基調講演をいただき、現在全世界で起こっているビジネス教育のパラダイムシフトやアメリカにおけるビジネススクールの役割などについてご発表いただいた。

6月23日には国連PRME第2回世界大会がフォーダム大学を会場に開催され、当学会副会長で国際委員会委員長の梅津会員が出席した。この会では全世界のビジネススクールや経営学関連の学部、またある場合は学長など参加し、責任教育原則の実施状況やこうした世界的なCSR教育の現状について今後の戦略が討議された。またそれに続く24日にはニューヨーク国連本部において国連グローバルコンパクト第3回リーダーサミットが開催された。今回はUNGC発足10周年ということで日本からは有馬UNGCジャパン・ネットワーク会長ほか数名が参加した。

北米地域との交流では、Society for Business Ethicsの年次大会が8月8日から12日までカナダのモントリオールで開催され、本学会からも高橋浩夫会長以下、井出亜夫、小坂勝昭、西藤輝、佐藤陽一、重本彰子、出口純輔、萩原道雄、古谷由紀子、古山英二、日和佐信子(BERC)、稲石達雄(BERC)合計12名が参加、高橋浩夫会長、古山英二会員、井出亜夫会員の3名が研究発表を行った。

また、11月1日から2日には当学会と中國文化大學商學院(台湾・台北)・中華民國多國籍企業研究學會協賛による「台湾・日本経営倫理國際學術研討會」(シンポジウム)が台北で開催され、当学会からは17名が参加、井上泉会員、狩俣正雄会員、谷俊子会員、野村千佳子会員の4名が研究発表を行った。同シンポジウムは合計で150名参加の盛会となった。

さらに11月5〜6日には国連PRME第1回アジア・フォーラムが韓国ソウル市の慶熈大学で開催され日本からは慶應義塾大学が参加した。6日には学生大会も行われCSR発表コンテストでは慶應義塾大学--インドグループが最優秀賞を受賞した。

例年3月に行われていた、国際委員会は東日本大震災の影響もあり開催できなかった。3月11日以降様々な会議、イベント等がキャンセルされる中で、大学に於いても卒業式、入学式の中止、新学期の延期などこれまでにない影響が出てきている。国際交流についてはその重要性はますます大きくなる一方で、今回の震災は日本全体のあり方をも変更させる国難であり、今後の学会活動全般について見直しが不可避となることが予想される。 (文責:JABES国際委員会委員長 梅津光弘)