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日本経営倫理学会

国際委員会アーカイブ

2014年度活動報告

平成26年度JABES国際委員会の活動は例年参加しているSBE(アメリカ経営倫理学会大会)への参加と、来日された経営倫理学関係学者による講演会の開催であった。

SBE年次大会は8月1日から4日まで、フィラデルフィアRadison Blue Warwick Hotelを会場に開催された。初日の国際学者歓迎会には、雪印乳業の日和佐信子社外取締役が参加された。日本からの参加者は梅津副会長、出見世理事、小山理事、谷口会員であり、そのほかにラトガース大学留学中の重本会員も参加された。

慣例に従い、梅津副会長がブライアン・ヒューステッド会長はじめ日本にも馴染みの深い役員や前役員に記念品を贈呈した。また日和佐取締役主催の昼食会も開催され、日本からの訪問者とパトリシア・ワーヘイン先生、ダリル・ケイン先生を囲んで情報交換の時をもった。

今回もヨーロッパからの参加者が多く、また若手の研究者、大学院生の参加者も多く企業倫理の研究が欧米では地理的にも年齢層的にも拡大・深化していることを痛感させられた。会期のはじめには主に博士課程在籍中の院生とワーヘイン先生をはじめとするシニアレベルの先生方の特別セッションももたれており、アメリカでは学会が次世代研究者を大学の壁を越えて育てようとしている姿勢に感銘を受けた。

2014年10月20日にはノートルダム大学教授のオリバー・ウィリアムス先生が来日され、慶應義塾大学で「THE CHANGING ROLE OF BUSINESS IN SOCIETY: DOING WELL AND DOING GOOD」と題して講演会が開催された。急な来日であったため、人数を18名に制限せざるを得なかったのが残念であったが、海外の留学生や大学院生を中心に20名ほどが参集した。

2014年12月12日にはハーバード・ビジネス・スクールのNien-he Hsieh先生(謝念和先生)が来日され「The Purpose and Responsibilities of the Firm」と題して講演された。これまた、来日の1週間前に連絡がきたために、十分な準備ができなかったが、会場の慶應義塾大学三田キャンパスにはおよそ60名の参加者が集い、現在同名の著書を執筆中の先生から最新の企業論を伺うことができた。ここでは大学院生を中心として活発な討論が行われ、謝先生からも大変に刺激的な討論であり有益であったとのご感想をいただいた。 

このほかにも11月には第5回PRMEアジアフォーラムがマレーシアのクアラルンプールで開催され、梅津が出席したほか他の会員の国際交流は把握できないほど活発に行われるようになってきた。国際委員会は故水谷雅一会長の諮問機関として発足し、国際交流が少なかった時代にふさわしい交流の相手を吟味する目的で設立された。昨今の現状をみると、国際交流はすでに相当程度行われており、また今後ますます進展するであろう国際交流の現実を考えると、国際交流担当理事を中心に理事会での審議に発展進化させる時が来ているように思われる。