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日本経営倫理学会

国際委員会アーカイブ

2012年度活動報告

2012年度のJABESおよび会員が関わった国際交流活動の主なものを概観すると以下とおりであった。

6月14日〜15日にはブラジル、リオデジャネイロ市において、国連PRME第3回世界大会が開催され、梅津副会長と高田会員が出席した。この会では全世界のビジネススクールや経営学関連の学部、またある場合は学長などが参加し、責任教育原則の実施状況やこうした世界的なCSR教育の現状について今後の戦略が討議された。またそれに続いて国連RIO+20が開催され京都宣言から20年を経て環境問題への企業、NGO、国連機関、大学などの取組みが報告・討議された。この20年でそれなりの進展はあったものの楽観を許さない現状認識が共有され、これから20年を見据えたRio+20宣言が採択された。

北米地域との交流では、Society for Business Ethicsの年次大会が8月8日から12日までボストンで開催され、本学会からも18名が参加した。例年の様に開催前日には海外からの参加者に対して特別歓迎レセプションが行われ、元日本経営倫理学会副会長で書家としても著名な田中宏司先生が「絆」、「友好」等6作品を団扇と扇子に記毫し、米国経営倫理学会に贈呈された。日米の研究交流がこうした友好関係にも支えられ、米国側関係者も一様に喜んでいた。翌日から行われた年次大会では我が学会から重本彰子氏、萩原道雄氏、平野 琢氏、水尾順一氏の4名の方が研究発表を行われた。

また11月には、韓国ソウル市国民大学校を会場に、日本と韓国の経営倫理学会のジョイント大会が開催された。日本からは髙橋会長をはじめ21名が参加し、高橋会長の挨拶の他、馬越恵美子氏、潜道文子氏、西藤 輝氏、文載皓氏の発表があり、Thomas Dieffenbach氏と梅津副会長はパネリストとしてそれぞれ参画した。前日にはLGディスプレイの工場見学なども行われ日韓の経営倫理学会の交流を深める事ができた。

さらに12月8〜9日には国連PRME第3回アジア・フォーラムが慶應義塾大学三田キャンパスで開催されJABESはこれに共催した。二日目には学生大会も行われ11カ国からのべ150名の参加があった。東京宣言が採択され、今後の運動拡大が確認された。

2013年1月には1979年に創設された米国経営倫理学会、Society for Business Ethics,の創設メンバーのお一人である米国デュポール大学のPatricia H. Werhane教授が来日され、JABESの共催のもとに慶應義塾大学と中央大学ビジネススクールで"Globalization and its Challenges for Business Ethics and Commerce in the 21st Century"をテーマに講演された。尚、この度、 Professor WerhaneとDr.Regina Wentzel Wolfe,Senior Wicklander Fellow, Institute of Business and Professional Ethics, DePaul University、お二人の来日目的はお二人が取組んでおられる研究テーマの一つである"Women in Business"、企業の経営層における女性の活躍についての日本企業の実態調査が主たる目的であった。

国際交流活動は個別にはこれ以上の活動がなされている。来年度はJABES20周年を記念してDavid Vogelカリフォルニア大学教授の講演会が企画されている。 (文責:JABES国際委員会委員長 梅津光弘)