国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)への関心は地方でも高まりつつある。2018年8月に、長く仙台の市民セクターを中間支援の立場から牽引してきた紅邑晶子氏らとともに立ち上げたのが一般社団法人SDGsとうほくである。SDGsに関心をもつ地域企業やNPOとともに実践の方法を学びネットワークを広げる場としてセミナーや勉強会の開催を行い、筆者も微力ながらお手伝いを重ねてきた。コロナ禍で一時活動停滞を余儀なくされたものの、地元新聞社の河北新報において地域企業向けにSDGsのアンバサダーを養成するプログラム「みやぎSDGsファーム」が立ち上がるなど(同法人もアドバイザーとして協力)、SDGsへの熱い思いの連鎖が続いている。
そんな中、個人的にSDGsへの市民の関心をより広げ、実践に関わる人たちの後押しができないかという思いで企画したのが「とうほくSDGsアワード」である。同法人と筆者の勤務校である東北大学大学院経済学研究科の共催で、東北経済産業局、河北新報社、仙台青年会議所、株式会社オルタナのご後援のもと、本年6月からようやく募集開始のスタートを切ることができた。
これまでSDGs関連の表彰制度としては、たとえば全国的には外務省「ジャパンSDGsアワード」、日経「SDGs経営大賞」、朝日新聞「大学SDGs ACTION! AWARDS」、地方では東北エリアでも「こおりやまSDGsアワード」(郡山市)や「仙台四方よし」企業大賞(仙台市)などが見受けられるが、東北地域全般を対象とした表彰制度は存在してこなかった。本アワードは、その隙間を埋め、高まる地方でのSDGsの関心と期待に応えるものとしての意義があると自負している。
既に募集期間は終了し、それほど数は多くないものの、青森から福島まで東北各県から応募いただき、現在審査を鋭意進めている。ジェンダー平等、防災、子育てや障がい者支援、農林水産業の活性化と地域づくりなど、いずれも東北の課題に照らして表彰の価値ある事業ばかりであるという印象を抱いている。
9月17日土曜午後に表彰式を仙台市内の会場(現在調整中)及びオンラインで開催予定である。この表彰式は、仙台青年会議所ともタイアップし、仙台SDGsWEEK2022プレイベントとしても行われる。関心をもたれた方は下記サイトをチェックの上、ぜひお越しまたはご視聴いただき、私たちの取り組みを応援いただけると嬉しく思う。
とうほくSDGsアワード2022
https://sites.google.com/view/tohoku-sdgs-award2022/
(東北大学大学院経済学研究科准教授)2022年8月14日